ゆかいなかえる

 『ゆかいなかえる』

ジュリエット・ケペシュ 文・絵
いしいももこ 訳
出版社 福音館書店
発行年月日 1964年07月15日
原書初版 1961年
定価 1,100円
(本体1,000円+税)


卵からおたまじゃくしになり、立派に成長した4匹のかえる。
かけっこをしたり、かたつむりのかくしっこをしたりと、楽しく遊びます。

さぎやかめなど、かえるを食べる敵から狙われながらも、そのやりとりさえも、まるで楽しんでいるかのような、かえるたち。

卵から孵り、冬眠するまでの様子を、のびやかな絵でいきいきと描きます。


* * * * * 

娘がよく気に入っていて、度々読んでと持ってくる絵本です。

石ころやお月さまが好きな娘は、
かえるたちが、かたつむりのかくしっこをする場面で、「あれ これは いしだった」というところと、
動物とかえるたちが、満月の下でいっしょに夏の歌を歌う場面が、お気に入り。

それから、最近よく「おいしいごはん」というフレーズを口にするのですが、どうやらこのフレーズも、この絵本からきているようです。

使われているのは、表紙にある、青・緑・黒・白の4色のみ。
それでも、かえるのいきいきとした様子を伝えるのには十分で、娘の反応を見ていると、石井桃子さんのリズミカルな文章が、いっそうおはなしを盛り上げてくれるのだと感じます。

絵本は、横長の判型で、表紙には楽しげなかえるたち。
本を開けば、見返しいっぱいにたくさんのおたまじゃくしが描かれていて、その可愛らしい様子が、私はとても好きです。