魔女たちのパーティー
『魔女たちのパーティー』
文 ロンゾ・アンダーソン
絵 エイドリアン・アダムズ
訳 野口絵美
絵 エイドリアン・アダムズ
訳 野口絵美
出版社 徳間書店
発行年月日 2017年9月30日
本体価格 1,600円+税
※原書『THE HALLOWEWWN PARTY』(1974年)
発行年月日 2017年9月30日
本体価格 1,600円+税
※原書『THE HALLOWEWWN PARTY』(1974年)
ハロウィーンの夜のこと。
仮装パーティーに行く途中だったジャックは、空飛ぶ2人の魔女を目にします。
魔女を追いかけて森の奥へと進んでいくと、たくさんの子鬼が、何やらパーティーの準備をしているよう。
そこへ、たくさんの魔女や人食い鬼たちもやってきました。
木の陰で隠れていたジャックでしたが、ついに見つかってしまい……!?
* * * * *
暗い森の中。尖った鼻の大きな人食い鬼はとても怖いし、ジャックが食べられやしないかとハラハラします。
ところがこのおはなし、人食い鬼と同様に子鬼や魔女たちも怖い存在なのかと思いきや、小さな子鬼たちはむしろかわいくて、魔女だって、ジャックがこのままここにいたら仲間の人間が探しに来るかもと慌てるくらいで、なんだか拍子抜け。おまけに魔女の箒で、ジャックが行くはずだった仮装パーティーまで送ってくれるというのだからなんともゆかいな展開です。
ちょっぴり怖いけれど、表情豊かな登場人物たちは愛嬌があって、エイドリアン・アダムズさんの描くその絵は繊細で、しっとりと美しい。
どこかで見たことのある絵だなあと思ったら、『こうさぎたちのクリスマス』(祐学社刊)を手掛けた方でした。こちらは現在品切れ。
ちなみに、本書も以前は祐学社さんから出版されていて(奥田継夫/訳)、しばらく品切れでしたが、昨年(2017年)新訳で復刊されました。
なぜが旧訳で「ファラディ」だった主人公は新訳で「ジャック」となっていたり、中に出てくる呪文のことばが違っていたりと、読み比べるとおもしろく、原作を読んでみたくなりました。