せかいのはてってどこですか
『せかいのはてってどこですか?』
作 アルビン・トゥレッセルト
絵 ロジャー・デュボアザン
訳 三木卓
出版社 童話館出版
作 アルビン・トゥレッセルト
絵 ロジャー・デュボアザン
訳 三木卓
出版社 童話館出版
長いあいだ井戸の中で暮らしていた、1匹のかえる。
かえるは、この井戸が “せかいのぜんぶ” だと思っていました。
ところがあることをきっかけに、かえるは外の世界へ出ます。
はじめて見る景色、はじめて出会うもの・・・
かえるにとって驚きの連続です。
「いどのそとの せかいは だんだん おもしろくなっていくなあ」
そう言ったかえるは、小川の終わりまで見に行くことにしました
* * * * *
かえるは、井戸の中でしあわせに暮らしていました。
そこが、このおはなしのおもしろいところだと、私は思います。
かえるは何も知らなかったのです。
春の日のにおいも、
一面に広がるひなぎくの景色も、
木の葉のあいだを落ちる雨粒の気持ち良さも。
そして、自分以外のかえるがいることも。
知らない世界を知ることは、
ときに不安を伴うこともあるかもしれません。
けれど、世界は自分が思うよりはるかに広い。
かえるを見ていると、だからこそおもしろいのだと感じます。