せかいのはてってどこですか

『せかいのはてってどこですか?』

作 アルビン・トゥレッセルト
絵 ロジャー・デュボアザン
訳 三木卓
出版社 童話館出版
発行年月日 1995年7月20日
※原書『The Frog in the Well』1958年(アメリカ)
価格 ¥1,400+税


長いあいだ井戸の中で暮らしていた、1匹のかえる。
かえるは、この井戸が “せかいのぜんぶ” だと思っていました。

ところがあることをきっかけに、かえるは外の世界へ出ます。
はじめて見る景色、はじめて出会うもの・・・
かえるにとって驚きの連続です。

「いどのそとの せかいは だんだん おもしろくなっていくなあ」
そう言ったかえるは、小川の終わりまで見に行くことにしました  

* * * * *

かえるは、井戸の中でしあわせに暮らしていました。
そこが、このおはなしのおもしろいところだと、私は思います。

かえるは何も知らなかったのです。

春の日のにおいも、
一面に広がるひなぎくの景色も、
木の葉のあいだを落ちる雨粒の気持ち良さも。
そして、自分以外のかえるがいることも。

知らない世界を知ることは、
ときに不安を伴うこともあるかもしれません。

けれど、世界は自分が思うよりはるかに広い。
かえるを見ていると、だからこそおもしろいのだと感じます。