かぜ

『かぜ』

作 イブ・スパング・オルセン
訳 ひだにれいこ
出版社 亜紀書房
発行年月日 2016年11月7日
価格 ¥1,300+税



「おいで!風がどこからふいてくるか、みにいこう」

マチルデは、弟のマーチンの手を引っ張って、
むかい風のなかを進んでいきます。

風に乗って聞こえてくる、たくさんの声。
風をやっかいだと嫌がる人もいれば、
同じ風を、うれしいと喜ぶ人もいます。

それじゃあ、人以外の生きものは?植物は?

風がはこぶ、たくさんのもの。
風に耳をすまして、聞こえてくるもの。

『つきのぼうや』でお馴染み、オルセンの名作が新訳で復刊しました。

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先日、東京のちひろ美術館で開催されていた、オルセンの展示を見に行ってきました。

オルセンといえば、「国際アンデルセン賞」受賞の絵本作家さん。
デンマークのコペンハーゲン出身で、児童書や小説の挿絵など、生涯で600冊近い作品を手掛けられたといいます。オルセンの絵は、デンマークではとても身近な存在なのだそう。
ちひろ美術館での展示は、そんなデンマークと日本の、国交樹立150周年を記念して開催されていたものでした。

今日ご紹介したこの『かぜ』は、原書の初版が50年以上も昔の絵本ですが、今読んでも新しい“かぜ”が吹くような作品。最後の結末にも、にっこり。
味わい深い1冊です。