こびん
『こびん』
作 松田奈那子
作 松田奈那子
出版社 風濤社(らいおんbooks)
“ぼくは、こびん。
たいせつなものを、あずかったよ。”
手紙を抱えた小さなこびんが、
海を渡って、ある海辺の町に着きました。
そこで開けられた手紙。
そして、そこから預かった手紙。
こびんは、手から手へと渡っていきます。
手紙といっしょに、声や、空気や、においを詰め込んで。
* * * * * * *
“たいせつなもの” について、考えます。
こびんの旅は、まるで人生のようでもあるし、
なにかの願いや祈りのようにも思えます。
行く先々で描かれる景色は違っていて、
その土地のにおいや空気が、絵本から伝わってくるようです。
また、小さく描かれた人々をよく見ていると、いろいろなドラマが浮かびます。
家族なのかな、友だちなのかな。
どこから来たのかな、どこへ行くのかな。何を話しているのかな。
この人はもしかして・・・。
そんな風に、思いを巡らせてみてもおもしろいです。
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さて、営業日に1日1冊ずつご紹介しているこの絵本紹介も、
本書で今年最後の1冊となりました。
今年から月に2日間の営業となり、1年間でご紹介したのはたった24冊でしたが、
個人的に、特にみなさまにおすすめしたい絵本を選んでご紹介してきました。
1冊でも、お手に取ってご覧いただけていたらうれしいなあと思います。
また、これまでにご紹介したクリスマスの絵本は、【こちら】にまとめてあります。
当店の営業日は本日が最終日でしたが、
気になるクリスマスの絵本がございましたら、
お近くの書店さんや図書館でお探しになってみてくださいね!
それではみなさま、どうぞ良いクリスマスをお過ごしください。