とっきゅうでんしゃあつまれ

『とっきゅうでんしゃあつまれ』

作 山本忠敬
出版社 福音館書店
発行年月日 1988年1月30日
※月刊『こどものとも年少版』1987年1月号
価格 ¥900+税


本書は、作者の山本忠敬さん(1916~2003年)の、生誕100年を記念した、特別復刊の絵本です。

ここで描かれているのは、日本の特急電車たち。
電車の名称や外観などは、この絵本が発行された1987年1月時点のものです。

「とうほく・じょうえつ しんかんせん 200けい」、「きんてつ30000けい ビスタカー」、「おだきゅう 7000けい LSEロマンスカー」・・・ページをめくるたび、たくさんの列車が登場します。

見開きに描かれている列車の数は様々で、横から見た外観が描かれているページもあれば、正面から見た列車がずらっと15も並んだページもあります。お顔がみんなこっちを向いているようで、なんだか集合写真みたいです。

個人的には、阪急電車が乗っているのもうれしい。小さいころから1番よく使っている電車で、あずき色の車体が特徴です。(この色のことを、阪急マルーンなんて言ったりします)

その他、例えばある新幹線は、6ページに渡ってその全貌が描かれていたり、ある電車は正面と横からの外観がどちらも分かるように描かれていたりと、それぞれの特徴が分かるよう、ていねいに紹介されています。

図鑑なのですが、なんだか愛嬌のあるような感じがするのは、山本忠敬さんの魅力だなぁと思います。

ところで、最後に女性がひとり、少し顔をうつむけて佇んでいます。
車内案内の女性かな?「ご乗車ありがとうございます」なんて声が聞こえてきそうです。