チップとチョコのおでかけ

『チップとチョコのおでかけ』

作・絵 どいかや
出版社 文溪堂
発行年月 1996年4月
価格 ¥1,200+税


チップとチョコは、子犬のきょうだい。今日は、おばあちゃんから、マフラーのプレゼントが届きました。
お兄ちゃんのチップには、黄色いマフラー。妹のチョコには、赤いマフラー。ふたりは、早速マフラーをして、おばあちゃんに見せに行くことにしました。

ところがその途中、チョコは、お兄ちゃんの黄色いマフラーがほしくなってしまいます。とうとうチョコが泣き出してしまったので、チップはマフラーを取りかえてあげました。ところがチョコときたら、今度は、お兄ちゃんの赤いマフラーがほしくなって・・・。

* * * * * * *

きょうだいって、本当にこんな感じですよね。分かるなあ。お兄ちゃんやお姉ちゃんの持っているものが、すてきに見えてならなくて。どうしてもそれが良くて、譲れなくて、だだをこねたりして・・・。

それでもチップは、とっても優しいお兄ちゃんです。チョコのわがままに、何度も応えてあげたりして。けれど、そんなチョコだって、まだまだ小さな子どもです。いくら優しくたって、我慢の限界がありますとも。

そんなふたりを見て、おばあちゃんはすてきなことを思いつきました。
おかげで、チップとチョコ、ふたりはとってもうれしそうです。

わたしの思い過ごしかもしれないけれど、最後のページのチョコは、チップに手を差し出しているようにも見えます。手を繋いでもらうのを、待っているみたいに。
なかよく手を繋いで帰るふたりの姿を、にっこりと想像してしまいました。