ねえ、おはなしきかせて

『ねえ、おはなしきかせて』

作 原享子
絵 高橋和枝
出版社 ポプラ社
発行月 2012年4月
価格 ¥900+税


1年生のゆかは、
もうひとりで本を読むことができるけれど、
ママにおはなしを読んでもらうのが大好きです。

ところが、
赤ちゃんができてからというもの、
なかなかママに構ってもらえません。

そんなある日のこと、
ゆかが森へ行き、ひとりで本を読んでいると、
動物たちが集まってきました。

「おねがい。もっと、よんで」
「ねえ、ちがう おはなし、きかせて」

動物たちは口ぐちにそう言って・・・。

* * * * * * * 

高橋和枝さんの挿絵が、たっぷり添えられています。ところどころカラーのページもあって、やわらかなタッチと、ふんわりとした色合いが、とてもかわいいです。簡単な漢字が使われていますが、ルビがふってあって、文字は大きく、おはなしの中の“ゆか”くらい(1年生くらい~)の子どもたちが読むのに、ぴったりの幼年童話です。

ゆかちゃんを見ていると思います。ほんとうに、そうなんですよね。文字が読めたって、お母さんに読んでほしい。そう思うのは、ちっとも間違ってなんかいません。

子どもたちに本を読む、いっしょにおはなしを味わう、そんなあたたかい時間を大切にしたいな、と思います。