ぼくのくれよん
『ぼくのくれよん』
作・絵 長新太
出版社 講談社
発行年月日 1993年4月20日
ぞうが、青いくれよんでびゅーびゅー描くと、
かえるは池だと思って飛び込みました。
赤いくれよんでびゅーびゅー描くと、
動物たちは火事だと思って逃げ出しました。
そうして今度は、黄色のくれよん。
ぞうがまた、びゅーびゅー描くと・・・?
* * * * * * *
とってもダイナミックで、気持ちのいい絵本です。
動物たちは、ぞうが何かを描くたびに騙されるので、なんだかちょっぴりかわいそう。でも、こんなたのしい絵だったら、騙されてもいいかなあ。
もしも私が、ぞうくらい大きくて、これくらい大きなくれよんを持っていたら何を描こうかな。そんなふうに考えてみても、わくわくしてしまいます。
そういえば学生のころ、学校内の道路に、チョークで絵を描く授業がありました。大学で幼児教育の勉強をしていたころの、美術の授業でした。
あれは楽しかったなあ。チョークを持って、道路に寝っころがって。体操服で、なにもかもお構いなしに、大きな大きな絵を描いて・・・。
このぞうを見ていると、そのときの気分を思い出してうれしくなりました。
描きたいだけ、描く。思いのままに。やりたいことを、やりたいだけ・・・。長新太さんらしい、のびやかな絵本です。