たいようのおなら
『たいようのおなら』
編 灰谷健次郎、鹿島和夫、岸本進一、坪谷令子、東条安希子
絵 長新太
出版社 のら書店
発行月 1995年6月
価格 ¥1,200+税
“おとうさんのかえりが
おそかったので
おかあさんはおこって
いえじゅうのかぎを
ぜんぶ しめてしまいました
それやのに
あさになったら
おとうさんはねていました”(詩『おとうさん』より)
のら書店さんのホームページに、この詩が掲載されていました。6歳の子どもが書いた詩だそう。とてもいいなあと思って、実際に本を手に取ってみると、あっという間にぜんぶ読み切ってしまいました。笑ったり、胸がじーんとしたり、感心したり・・・。どの詩を読んでも、たくさん心が動きます。
本書では、4歳10か月から8歳までの子どもたちの、心のつぶやきのような詩が、全部で75編収録されています。それぞれの詩には、長新太さんのかわいい挿絵と、灰谷健次郎さんの短い解説が添えられています。
その、灰谷さんの言葉の中に、“サラッピン”という言葉が出てきました。サラッピンの耳、サラッピンの目、サラッピンの心・・・。
そうなんですよね。子どもたちはみんな、サラッピン。だから、こんなにも、おおらかな、にごりのない、あたたかな詩が書けるんだろうな。
そう思うと、ちょっぴり子どもたちが羨ましくなりました。
とてもいい詩集です。
※この詩集は、最初、母と子のほん『Reed』に掲載されたのち、1980年2月にサンリードさんより単行本として出版されたものです。