母の友 2015年6月号
『母の友 2015年6月号』
出版社 福音館書店
発行年月日2015年6月1日
価格 ¥505+税
今月のひとつ目の特集は、“お父さんという生きもの”。
ちょうど2年前の「母の友」6月号で、“脱「イクメン」宣言”という特集が組まれていたことがありました。これがまた、なかなか興味深くて。(気になる方は、図書館などでバックナンバーを探してみてくださいね。)
今回の特集では、
1「ゴリラが教えてくれたこと」
2「父という名のフロンティア」
3「落語と父と子育てと」
の、大きく3つのキーワードで、“お父さん”に迫ります。
ゴリラのおはなしも、落語のおはなしも興味深かったのですが、個人的に気になったのは、ふたつ目の、愛知教育大学教授・尾形和男さんのおはなし。
日本のお父さんが、他国と比較して、どれだけ子どもと関わる時間が少ないか、というのも図として紹介されていました。本当に、そうなんですよね。他国の同世代の人たちと話していても、日本が遅れていると指摘されるのは、やっぱりこの部分で。(つまり、育児だけでなく、仕事に関して、政治に関してなど、男女の問題についてです。)
もちろん、いろいろなかたちがあって当然だし、それぞれの家庭に合った父親の姿というのは、きっとその家庭の数だけあるんですけどね。
ちょっと、考えさせられた特集でした。
ふたつ目の特集は、“字のない絵本を「読む」”。
当店でも、文字のない絵本をどんなふうに読んだらいいのかと、ご質問をいただくことがあります。「字のない絵本がいいって聞いたけど・・・」とおっしゃる方もいれば、「字のない絵本はどうも苦手で・・・」とおっしゃる方も、ときどきいらっしゃいます。普段は、わたしなりの考えをおはなししていますが、この特集では、そんな疑問に対するヒントがたくさん詰まっていました。
この記事にあった言葉で、“字のない絵本は、字がないからこそ、家庭にたくさんの言葉を運んできてくれるかもしれません”(P57)というところが、とても共感を持てて、うれしかったです。本当に、そうだなあと思います。
「絵本作家のアトリエ」のコーナーは、『ずいとんさん』や『かえるをのんだととさん』でおなじみの、斉藤隆夫さん。そのほかのコーナーも、どうぞお楽しみください。
来月号の特集は、“野山であそぶ”と“自然、子ども、物語”です。次号も、今から楽しみです。