くんちゃんとにじ
『くんちゃんとにじ』
作 ドロシー・マリノ
訳 まさきるりこ
出版社 ペンギン社
発行月 1984年2月
価格 ¥950+税
ある春の日のこと、
雨がやんだので、くんちゃんが外へ駆けだすと、
空には虹がかかっていました。
木の枝にとまっていた小鳥は、
くんちゃんに、こう言いました。
“にじのねもとには きんのつまった つぼが
うまっている という はなしを きいたことがあるよ。”
そこでくんちゃんは、
虹の根元に向かって駆けて行きました
* * * * * * *
虹の根元に行くと、虹は見えなくなって、そこからまた虹の根元に向かって駆けて行くと、また見えなくなって・・・。そのくりかえしで、くんちゃんはどんどん先へと進んでいきます。
お父さんは「うちでは きんは いらないよ。」と言ったし、途中に出会ったりすは、「あれは ただの おとぎばなしだよ。」と言いました。
けれどくんちゃんは、そんなことおかまいなしに、虹の根元を探し続けます。
そんなくんちゃんが、1本の大きな木で見つけたものとは・・・?
子どもらしくて、かわいいくんちゃん。
一度はくんちゃんを引きとめたお父さんとお母さんでしたが、くんちゃんが駆けて行くのを、無理に止めようとはしませんでした。くんちゃんのやりたいようにやらせてみるのが、この「くんちゃん」シリーズのすてきなところです。
お父さんいわく“ほんとうの きんより ずっと ねうちが ある”金を見つけることができた、くんちゃん。くんちゃんが戻ったあとの夕食は、にぎやかで、とても幸せそうです。