まっててねハリー
『まっててねハリー』
文・絵 メアリー・チャルマーズ(Mary Chalmers)
訳 おびかゆうこ
出版社 福音館書店
発行日 2012年10月15日
価格 ¥700+税
※原書『BE GOOD,HARRY』1967年(アメリカ)
ある日お母さんが
友だちのお見舞いに行くことになって、
ハリーは、ブルスターさんの家で、
待っていることになりました。
「いちじかんくらいで かえるから、
いいこで まっててね」
お母さんはそう言うと、
ハリーを残して、行ってしまいました。
ブルスターさんと2人きりになったハリーは、
とても悲しくなってしまいました・・・。
* * * * * * *
“おかあさんが でかけることは、ハリーも わかっていました。ここのところ、
でも、まさか ほんとうにハリーを おいていってしまうとはおもっていませんでした。”(本文より)
ハリーの気持ちが本当によく表現されていて、
胸がきゅっとなります。
でも、やさしいブルスターさん。
ハリーを元気づけるにはどうしたらいいかと考えて、
おやつを用意してくれたり、絵本を読んでくれたり・・・。
“3さつの えほんを 3かいずつ よんでくれました。”こんなところからも、
ブルスターさんのあたたかさが感じとれます。
原題の「BE GOOD」は、直訳すると、
「いい子にしてね」といったところでしょうか。
それを「まっててね」と訳されたところも、すてきです。
「こねこのハリー」のシリーズは、全部で4冊。
どのおはなしも優しさがいっぱい詰まっていて、
かわいくて、本当に大好きなのですが、
個人的には、この「まっててねハリー」が1番好き。
何度も繰り返し読みたくなる、1冊です。