このひとたちのりょうしんは

さっき遊びにきていた小学生の女の子2人が、
『どろぼうがっこう』を読んでいました。

真剣に読んでいるなあ、と思っていたら、
どろぼうがっこうの生徒たちを見て言いました。

“このひとたちのりょうしんは、どうおもってるんやろうなあ~!”

思わず横で吹き出してしまいました。

たしかに、自分の子どもをどろぼうがっこうに通わせよう、
なんて思う両親は、なかなかいないよなあ・・・

思わぬ視点で、おもしろいなあと思っていたら、
もう1人の女の子が思いついたように
   けれどいたって冷静に、言いました。

“おとうさんも、おかあさんも、どろぼうなんちゃう?”

“・・・・・・”(2人とも、すこし黙って)

“あ、そうか!” “それしかないやろ~!”

2人は納得して、
絵本の中に戻っていきました。

子どもたちの明るい声が響く、
たのしい夕暮れのできごとでした。
おわり。


『どろぼうがっこう』

作 かこさとし
出版社 偕成社
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