あすはきっと

『あすはきっと』

文 ドリス・シュワーリン
絵 カレン・ガンダーシーマー
訳 木島始
出版社 童話館出版
発行日 1997年6月10日
価格 ¥1,200+税
※原書『THE TOMORROW BOOK』1984年(アメリカ)



夜になりました。
それぞれの子どもたちはベッドの中で、
「おやすみ」と言って、目を閉じる時間です。

目をさまして「おはよう!」って言うと、
もうそのときが“明日(あす)”。

窓から外をのぞいて、
明日は、こんな声で始まります。

“うあい、あかるい おひさまあ!”

* * * * * * *

私が今朝目を覚ましたとき、大阪の空は曇っていたのに、
店を開くころになると、空はすっかり良いお天気になっていました。
あたたかいお日さまの光が店の中に差し込んできて、
とても気持ちの良い朝でした。

ちょうど、絵本の中の男の子のように、
窓に向かって“うあい!”って声をあげたくなるような・・・

絵本は、読者の子どもたちに問いかけます。

“きょうは、なにが あったのかな?”
“きょう なにかで なかなかった?”
“なにかに ぶつかった?”

たとえ悲しいことがあったとしても、
ぐっすり眠っている夜の間に、
小さくなったり治り出したりするんだと、
この絵本は教えてくれます。

そして、“あすは、なにから なにまで、
ずっと きょうより よくなるよ。”  と。

この本は、作曲家で劇作家でもあるドリス・シュワーリンさんが、
孫のベンジャミンくんのために書いたもの。
彼が自身にとっての“あす”について疑問を抱いていたころに、
書かれたおはなしだそうです。

原題は“THE TOMORROW BOOK”。
“あすはきっと”と訳されたそのタイトルは、
世界をぱっと明るく照らす、魔法の呪文みたいです。