ちいさなもみのき
『ちいさなもみのき』
作 マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵 バーバラ・クーニー
訳 上條由美子
出版社 福音館書店
発行日 1993年10月20日
価格 ¥1,100+税
※原書『THE LITTLE FIR TREE』
足の悪い、小さな男の子がいました。
男の子は、まだ一度も森へ行ったことがありません。
そんな男の子のために、お父さんは森へ出て、
1本の小さなモミの木を持って帰ってきました。
男の子の部屋で、りっぱに飾り付けられたモミの木は、
クリスマスを男の子の部屋で過ごし、
春になると、また森の外れに植えられました。
その翌年も、同じように過ごしました。
ところが、さらにその翌年のこと。
モミの木がいくら待っても、お父さんはモミの木を連れに来てくれません。
そのときです。
ずっと遠くから、子どもたちの歌うクリスマスキャロルが聞こえてきて・・・。
* * * * * * *
『おやすみなさいおつきさま』(評論社刊)や『おやすみなさいのほん』(福音館書店刊)などで知られるマーガレット・ワイズ・ブラウンさんと、『にぐるまひいて』や『ルピナスさん』(いずれもほるぷ出版刊)などで知られるバーバラ・クーニーさんの絵本です。
本文中で使われているのは、表紙と同じ、朱色と、黄緑と、青みがかったグレー、それから黒の、ぜんぶで4色。
たったそれだけなのだけれど、光や、豊かな自然が、しっかりと感じられます。
本文中には、子どもたちが歌うクリスマスキャロルが3曲収録されていて、いずれも楽譜付き。そのうちの1曲「もみのき(O Tannenbaum)」は、日本でも有名ですよね。
胸がじいんとあたたかくなるような、美しいおはなしです。