みにくいおひめさま
『みにくいおひめさま』
作 フィリス・マッギンリー
訳 間崎ルリ子
絵 中川宗弥
出版社 瑞雲舎
発行日 2009年3月3日
※1968年発行『みにくいおひめさま』(学習研究社刊)の訳文を見直し修正、復刊したものです。
価格 ¥1,500+税
価格 ¥1,500+税
※原書『THE PLAIN PRINCESS』1945年発行(アメリカ)
エスメラルダは、豊かな王国に生まれた、ひとりっこの王女さま。
その暮らしぶりは何不自由のないものでしたが、ただひとつだけ、彼女に足りないものがありました。
それは、“美しさ”でした。
「みにくいおひめさま」として、国中に知られるようになったエスメラルダ。
そこで王さまは、強い力を持った魔術師を探すことにしました。魔法の力で、娘を美しい姿に変えてしまおうと思ったのです。
そしてエスメラルダは、魔術師と名乗るグッドウィット夫人のもとで、9か月間を過ごすことになりました――。
* * * * * * *
自分の娘を、魔法の力で美しく変えてしまおうだなんて、なんて王さまだ!と、思ってしまいますよね。
けれど、たしかに、ちょっと鼻高々なエスメラルダ。(だから鼻が上を向いていたんですね。)
口がいつもへの字に曲がっているのも、目が輝いていないのも、ちゃんと理由があった訳です。
グッドウィット夫人は、そんなエスメラルダのことを特別扱いせず、自分の5人の娘と同じように接しました。
そうして、夫人と5人の娘たちとの暮らしが、エスメラルドの美しさを、少しずつ引き出していきました・・・。
「美しさは内面から」なんて言うと、安っぽく聞こえてしまうかな。
でも、本当にそうだなあ、と思います。
中川宗弥さんの、のびやかで美しい絵も相まって、愛おしくなるような1冊です。