くろねこかあさん
『くろねこかあさん』
作 東君平
出版社 福音館書店
発行日 1990年1月25日
※月刊「こどものとも年少版」1985年2月1日発行
価格 ¥800+税
くろねこ母さんが、赤ちゃんを産みました。
しろねこが3匹と、くろねこが3匹です。例えばくろねこ母さんがお出掛けをすると、しろねこ3匹はお昼寝をして、くろねこ3匹は心配して泣きました。
例えばくろねこ母さんがすずめを狙っていると、しろねこ3匹は母さんの後ろで恐々見ていて、くろねこ3匹は母さんの隣で並んで見ていました。
しろねこ3匹は、いつもいっしょ。くろねこ3匹は、いつもいっしょ。
そして6匹の子どもたちは、やさしい母さんのもとで、すくすくと育ちます。
* * * * * * *
切り絵のような絵で、しろねことくろねこが描かれています。そのとぼけた表情がとてもかわいい。
言葉はリズミカルで、
くろねこかあさん いねむりしてた
しろねこさんびき おいけにおちた
くろねこさんびき しらせにいった
というふうに、
くろねこかあさん (なんちゃらかんちゃら)
しろねこさんびき (なんちゃらかんちゃら)
くろねこさんびき (なんちゃらかんちゃら)
の繰り返しです。(なんちゃらかんちゃらって、大阪弁かな)
とにかく、ついつい声に出して読みたくなるような、楽しいリズムの文章です。
最後(おしまいのページ)の前の見開きページでは、くろねこかあさんと6匹の子どもたちが幸せそうに寄り添って眠っていて、その姿はとても気持ちよさそう。
最後はほっこりあたたかい気持ちになる1冊です。