どんぐりかいぎ

『どんぐりかいぎ』

文 こうやすすむ
絵 片山健
出版社 福音館書店
発行日 1995年9月20日
※月刊「かがくのとも」1993年10月1日発行
価格 ¥900+税


どんぐりの森では、「なりどし」と呼ばれる どんぐりがたくさんなる年と、「ふなりどし」と呼ばれる どんぐりが少ししかならない年が、1年おきやってきます。
どうしてでしょうか?
これは、絵本『どんぐり』(こうやすすむ作・絵、福音館書店刊)でもお馴染みのこうやすすむさんが、その訳について綴ったお話です。

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動物たちは、冬の食糧として、森のあちこちに穴を掘っては大好物のどんぐりを隠します。でも、欲張って食べる分よりもたくさんのどんぐりを埋めるので、春になるとそのどんぐりが芽を出し、こどもの木になります。
ところが動物たちが増え続けると、どんぐりは余らなくなって、新しいどんぐりの木が育たなくなります。

どんぐりの木たちは考えます。会議を開いて、どんぐりの木が死に絶えてしまわないようにするには、どうしたら良いのかと。動物たちにどんぐりを埋めてもらって、そのまま食べ残してもらうには、どうしたら良いのかと――。

自然の中で生きていくために、植物や動物が、助け合い、支え合って存在していることが、分かりやすく綴られています。片山健さんの絵も、味わい深く、あたたかみがあってすごく良いです。

20年以上前の絵本ですが、今の時代だからこそ一層立ち止まって、向き合いたい1冊です。