大きい1年生と小さな2年生
『大きい1年生と小さな2年生』
作 古田足日
絵 中山正美
出版社 偕成社
発行月 1970年3月
価格 ¥1,000+税
1年生になったまさやは、1年生の中でも1番背の高い、とっても大きな男の子。けれどとても弱虫で、泣いてばかりいました。そんなまさやが、2年生の中で1番小さいあきよと、その次に小さいまり子と出会います。おっとりとした性格のまり子と比べ、体は小さくても負けん気が強くしっかり者のあきよは、まさやが怖がる崖の道も、まさやの手をひいて歩いて行きます。
そんなあきよが泣くのを、まさやは見たことがありませんでした。
ところがある日のこと、あることから、まさやは初めてあきよの涙を見ました。そんなあきよを励まそうと、まさやはある目的のために1人で家を飛び出しました――。
* * * * * * *
自分より大きな男の子が、自分のことを頼りにしている。そのことを感じたあきよは、「わたしは小さくても、この子より大きいんだわ。」と気が付きます。
そしてまさやも、あきよの姿を見ながら――時には、あきよがいないときでも、あきよならどうするか考えながら――少しずつたくましく成長していきます。
『おしいれのぼうけん』や『ロボットカミイ』の作者、古田足日さんの作品です。中山正美さんの味わい深い絵がよく合っていて、とても綺麗です。持ち運びにはソフトカバーの文庫版(偕成社刊)が便利ですが、こちらの単行本にはカラーの挿絵(それも1ページまるごと!)がところどころに挟まっているので、中山さんの絵をじっくり楽しむには断然単行本がおすすめです。