たぬきのじどうしゃ

『たぬきのじどうしゃ』

作 長新太
出版社 偕成社
発行月 198710
価格 ¥1,000+税


たぬきのおじさんが、自動車で山の上から川の方へ走ってくると、魚が飛んできて「かいぶつが でたのです。たすけてちょうだい。」と言いました。川へ行ってみてびっくり!そこにいたのはかえるの怪物でした。驚いたおじさんは慌てふためきバックで走りましたが、川から出てきた怪物に捕まってしまって・・・。

* * * * * * *

本書は「ちいさいえほん」シリーズ(偕成社刊)の同書名の本を大判化したもの。1975年から始まり、子ざるの「タンタン」シリーズ(いわむらかずお作)をはじめ、30作以上にのぼる「ちいさいえほん」シリーズ。こちらは1977年にその12作目として発売された絵本です。

さて、このお話でおかしなところを探せばきりがなく、ここがおかしいあそこが変だというのは、全くもっておもしろくないことなのですが、逃げてきた魚がたぬきのおじさんの鼻にぶつかっている(ささっている?)状況は絶対におかしいし、怪物に捕まっておじさんが焦るのは分かるけれど、夢中になって自分のお腹をぽんぽん叩く意味は分からないしと、やっぱり突っ込まずにはいられません。そんな風に、この絵本はおかしなところだらけなのだけれど、それもひっくるめて最高におもしろくて、やみつきになるから不思議です。
お腹を叩いて、クラクションを鳴らして、“ぽんぽん ぶうぶう ぽんぶうぶう ぽんぶう ぽんぶう ぽんぶうぶう・・・”と騒ぐところも、読んでいてなんだか楽しくなってしまいます。(ほら、声に出すととってもリズミカル!)

オチには思わず「まいった!」という感じ。お父さんにもおすすめの1冊です。