とべ!ちいさいプロペラき
『とべ!ちいさいプロペラき』
作 小風さち
絵 山本忠敬
出版社 福音館書店
発行日 2000年1月20日
※月刊「こどものとも」1989年4月1日発行
“しんこきゅうをすると、まっすぐ まえを みました。
ひろくて ながい かっそうろは、そらまで つづいているようです。”(本文より)
飛行場の格納庫の中に、空へ飛び立つ日を待っている新しい小さなプロペラ機がいました。ある日のこと、そこへ大きなジェット機が入ってきました。その堂々とした姿にすっかり心がひるんでしまったプロペラ機でしたが、ジェット機に励まされ、とうとうゆっくりと滑走路を走りはじめました――。
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爽やかな空色に、赤いプロペラ機がとてもよく映えます。緊張感のある、躍動的な絵も大きな魅力です。大きなジェット機は、小さなプロペラ機のことを決してばかになんかせず、「ひろい そらでは、ぼくらの おおきさのことなど わすれてしまうよ」と励ましてくれます。表紙のジェット機を見るだけでも、そのあたたかい眼差しのようなものが感じられ、最後のページのプロペラ機が飛び立ったあとの後ろ姿は、胸にじーんとくるものがあります。
子どもたちも、こんな風にまわりに励まされながら、少しずつ成長してほしいなと思います。
子どもたちも、こんな風にまわりに励まされながら、少しずつ成長してほしいなと思います。