かおかおどんなかお

『かおかおどんなかお』

作 柳原良平
出版社 こぐま社
価格 ¥800+税


ページをめくってまず現れるのは、シンプルな “ かお ”。

目がふたつ、鼻はひとつ、くちもひとつ。
そんなパーツからできている “ かお ”。

楽しい顔もあるし、悲しい顔もある。
笑った顔もあれば、泣いた顔も。
怒った顔も、それから、眠った顔も・・・。

シンプルなラインで描かれた、さまざまな顔が並ぶ絵本です。

* * * * * * *

本書を読んでいると、思わず読んでいる自分までそんな顔になります。「おこった かお」 のページでは力いっぱいに怒った顔、「あまーい かお」 のページでは、できる限りの甘い顔、という風に。

そして最後の見開きは、左ページが「いい おかお」、右ページでは「おしまい さよなら の かお」 と続きます。

幼い子どもたちでも、お母さんやお父さん、身近な大人たちの表情は、私たちが思う以上に敏感に感じ取って、よく見ています。

それがシンプルな絵と簡潔な言葉で表現されているのだから、子どもにとって、身近で、親しみやすい絵本なのではないでしょうか。

大人の人に絵本の顔をしてもらったり、子どもが自分自身で同じ顔を真似してみたり。はたまた、一緒にそれぞれの表情をして、見合わせてみたり・・・。

シンプルだからこそ、何度も味わいたくなるおもしろさがあります。