ねむれないふくろうオルガ

『ねむれないふくろうオルガ』

ルイス・スロボドキン 作
三原泉 訳
出版社 偕成社
発行年月 2011年2月
本体価格 1,200円+税


オルガは、ふくろうの子ども。
もうとっくに眠る時間だというのに、眠れなくて困っています。

そこで、どうしたら眠れるのか、物知りふくろうの長老さまに尋ねに行きましたが、やっぱり眠れません。

しまりすのように体を丸めてみたり、オポッサムのように枝にぶらさがってみたりしましたが、やっぱり同じ。
それから、あおかけすも、こまどりも相談に乗ってくれましたが、やっぱり眠れません。

すると、つぐみが、他の誰とも違う、ある方法を教えてくれました。

* * * * *

作者のルイス・スロボドキンさん(1903~1975年)は、アメリカのニューヨーク生まれ。美術大学を卒業後、彫刻家となりますが、エレナー・エスティスさんの「モファットきょうだい」シリーズの挿絵を描いたことをきっかけに、子どもの本の仕事をはじめます。また、『たくさんのお月さま』では、コルデコット賞も受賞されています。

本書の献辞には「ナオミに 愛をこめて」と書かれていて、カバーの袖には、スロボドキンさんと孫のナオミちゃんの写真が紹介されています。
そして、もしかすると、ナオミちゃんはオルガのように、なかなか眠れない子どもだったのかな......なんて、想像してしまいます。そして、オルガのように、素直で、一生懸命で、愛おしい存在だったんだろうな、なんて。

ちなみに、妻のフローレンス・スロボドキンさんがおはなしを手掛け、絵をルイス・スロボドキンさんが担当した『てぶくろがいっぱい』と『ふたごのカウボーイ』に登場する、双子のネッドとドニーも、お孫さんをモデルにされています。

ゆかいでやさしく、あたたかな、スロボドキンさんの作品。わたしも大好きですが、こんなおはなしを贈られるお孫さんたちは、なんて幸せなんだろうなあ、と思います。