クリスマス
『クリスマス』
作 バーバラ・クーニー
訳 安藤紀子
出版社 ロクリン社
発行年月日 2015年11月2日
※原書『CHRISTMAS』
価格 ¥1,500+税
12月25日のクリスマスは、イエスの誕生を祝う日です。
けれど、どうしてその日にサンタクロースが来るのでしょう。それも、贈りものを持って。
本書では、イエス・キリスト誕生の物語から、それがどうして現代のクリスマスになったのか、クリスマスの起源と、その習慣が紹介されています。
イエス誕生のおはなしは、もっと小さな子がたのしめるような絵本にもありますが、それがどうして今のクリスマスになったのか、ここまで分かりやすく、ていねいに(けれどきちんとまとまって)紹介されている本を、わたしは他に知りません。それも、こんなに美しい挿絵とともに。
黒に、赤と緑を基本として色付けされた、バーバラ・クーニーさんの絵は、凛とした中にも、光が灯るようなあたたかさがあって、うっとりしてしまいます。
クーニーさんは、この本の最後に“けれども”と言って、こう語られています。
“クリスマスと呼ばれるキリスト教徒の冬の祭りの中心は、クリスマスの物語です。それは、ずっとむかし、はるか遠くの町の馬小屋で生まれた幼い男の子の話です。”
背景を知ると、世界は広く、深くなるなあと思います。クリスマスに限ったことでないのだけれど。クリスマスのことを、もっと知りたい人に、おすすめしたいです。
読むと、クリスマスがいっそう愛おしくなるような1冊です。