アメリカのマドレーヌ

『アメリカのマドレーヌ』

作 ルドウィッヒ・ベーメルマンス、ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ
訳 江國香織
出版社 BL出版
発行年月日 2004年10月20日
価格 ¥2,200+税


パリの、つたの絡まる古い屋敷に、12人の女の子が2列になって暮らしていました。中でも1番のおちびさん、マドレーヌは、怖いもの知らずの元気もの。

クリスマスの2日前、そんなマドレーヌのもとに、海外電報が届きました。亡くなったひいおじいさんの遺言状を読むために、ダラスまできてほしいとのこと。

そこで、マドレーヌは、みんなといっしょにアメリカへ向かいました  

本書では、はじめてマドレーヌの苗字が明かされます。ひいおじいさんが、マドレーヌに残してくれたのは、莫大な財産でした。けれど、やっぱりマドレーヌはマドレーヌ。無邪気で、かわいくて、にっこりしてしまいます。マドレーヌの帰るところは、パリの、あの古い屋敷なのですからね。

この『アメリカのマドレーヌ』のおはなしの他、『はくしゃくとくつしょくにん』と『サンシャイン』という、クリスマスにまつわる2つのおはなしが収録されています。
また、『ベーメルマンス家のクリスマスの思い出』として、バーバラ・ベーメルマンスさんが、お父さま(つまり、マドレーヌの生みの親である、ルドウィッヒ・ベーメルマンスさん)との思い出を綴られています。

本書の「はじめに」にもありますが、出版にあたっては、孫のジョン・ベーメルマンス・マルシアーノさんが手を加えられた箇所がところどころに見られ、“祖父の目を通して物を見るように心がけたつもりです”と、語っています。

そんな経緯がなければ、もしかしたら出会えなかったかもしれない、おはなしたち。クリスマスを心待ちにしながら、じっくり読みたい1冊です。