森のプレゼント

『森のプレゼント』

作 ローラ・インガルス・ワイルダー
絵・訳 安野光雅
出版社 朝日出版社
発行年月日 2015年11月30日
価格 ¥1,300+税


ローラやメアリーが住む、小さな丸太の家は、ほとんど雪に埋まりました。お父さんは、シャベルで戸口の雪をかき、道をつくりました。

クリスマスの前の日のこと。そんな丸太の家に、おばさんやおじさん、いとこたちがやってきました。子どもたちは、雪の中で1日じゅう遊んだので、夜になっても気持ちが高ぶって眠れません。おまけに、おじさんたちの話し声も気になります。眠らないと、サンタ・クロースは来てくれないかもしれないのに。

それでも、バイオリンの歌を聴いて、やっと眠りについた子どもたち。そして、クリスマスの朝を迎えました  

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『LITTLE HOUSE IN THE BIG WOODS』(『大きな森の小さな家』)に出てくる、クリスマスのおはなしが、安野光雅さんの絵と翻訳で、一つの絵本になりました。

お母さんといっしょに雪とシロップで作ったキャンディー、雪に自分の跡をつける写真ごっこ、お父さんが弾いてくれるバイオリン、サンタさんにもらったボタンの目の人形・・・。そんなひとつひとつが、おはなしの中で、生き生きと輝いています。

「クリスマスは、1年にいちどしかやってこないからね」おばさんは言いました。そんな1度きりの時間を、こうして大切な人たちと過ごせるのは、とても幸せなこと。その端々からは、やさしく包み込んでくれるような、家族のぬくもりを感じます。

鈴の音を鳴らしながらソリ(ボブスレー)に乗ってやってきて、ソリで帰った、いとこたち。その姿はまるで、サンタのようです。でもそれは、まんざらではないなあとも思いました。だって、素敵なプレゼントは、ちゃんと残していってくれましたからね。きっと、ローラたちの心にも、わたしたちの心にも。