星どろぼう
『星どろぼう』
文 アンドレア・ディノト
絵 アーノルド・ローベル
訳 八木田宜子
出版社 ほるぷ出版
発行年 1978年5月10日
※原題『THE STAR THIEF』
価格 ¥1,400+税
“むかし、山の てっぺんに ある
村に、ひとりの どろぼうが すんでおりました。”(冒頭より)
そのどろぼうは、
空の星に触りたくてたまらなくて、
心の奥では、自分だけの星を一つほしいと、
心の奥の奥では、
星という星をぜんぶほしいと思っていました。
ある晴れた晩のこと、
どろぼうは、作戦を実行します。
“くろいきれ”をひっかぶり、
“ふるいあさぶくろ”と“空にたてかけるはしご”を持って
* * * * * * *
「星どろぼう」だなんて、すてきな響きですよね。このタイトルに惹きつけられる人も多いんじゃないかな。おまけに絵は、「がまくんとかえるくん」のシリーズでおなじみの、アーノルド・ローベルさん。文章を手掛けられたアンドレア・ディノトさんは、ニューヨークの女流作家さんです。出版社や劇場で働いていて、子ども向けの作品は、この絵本が初めてだそう。
どろぼうするのは悪いことだけど、星をどろぼうしちゃうなんて、すてきなファンタジーですよね。夢があって、わくわくしてしまいます。
この絵本を読むと、ひとつひとつの星にも、ちゃーんと心があるような気がして、うれしくなります。一言で星と言っても、ここで描かれている星のかたちは、まるかったり、くるくるしていたり、お花みたいだったり・・・。1つ1つ違っていて、とてもきれい。
最後のオチもかわいくて、なんだか憎めないどろぼうさんです。
※簡単な漢字表記がありますが、漢字にはルビがふってあります。