フランシスのいえで
『フランシスのいえで』
作 ラッセル・ホーバン
画 リリアン・ホーバン
訳 松岡享子
出版社 好学社
発行年 1972年
※原題『A BABY SISTER FOR FRANCES』(アメリカ)
価格 ¥1,200+税
アナグマの女の子、フランシスに、
グローリアという妹ができました。
けれど、お母さんは、
グローリアのことで毎日忙しくしています。
「このごろ、うちは いろんなことが おもうように
いかなくなったのね。」
フランシスはそう言うと、
家出をすることに決めました
* * * * * * *
“家出”と言っても、お家の食堂の、テーブルの下なんですけどね。でも、それは大きな問題ではなくて。フランシスは、リュックサックにとくべつのもうふや、ビスケットを詰めて、家出を実行します。
その家出を止めるでもなく、けれど、フランシスがいなくなるとさびしくなるねと言って、フランシスについて語り合う、お父さんとお母さん。
フランシスはテーブルの下で、その会話を、ずっと聞いています。
ああ、フランシスの両親は、ほんとうにすてきだなあ、と思います。フランシスが、どれだけ大切で、家族にとってどれだけ必要な存在なのかを、さりげなく、けれどしっかりとフランシスに届くかたちで伝えています。
やさしい言葉と、やさしい目。両親の表情が、とてもあたたかで、うれしい気持ちになります。