おつきさんどうしたの
『おつきさんどうしたの』
文 エドナ・ミッチェル・プレストン
絵 バーバラ・クーニー
訳 岸田衿子
出版社 岩波書店
発行年月日 1979年9月21日
※原書『SQUAWK TO THE MOON,LITTLE GOOSE』1974年発行
「いいこに しててね、
ベッドから でないで。」
子どもたちにそう言って、
がちょうのお母さんは出かけて行きました。
ところが、5羽のうち1羽の“ちびさん”だけが、
ベッドから飛び出して池の方へ向かいました。
お母さんの言いつけを守らずに。
空には、金色のお月さんが見えました。
ところが、きつねの形をした雲がやってきて、
月を隠してしまいます。
「きつねが おつきさんを のんじゃった」
ちびは、急いでお百姓さんに知らせに行きますが・・・。
* * * * * * *
月がのまれたとか、池に落っこちたとか、ちびはそう言って、お百姓さんに知らせにいきます。(その度、お百姓さんを起こしてしまうものだから、ちびはこっぴどく叱られるんですけどね。)
子どもの視点で見る月が、うまく表現されています。子どもらしいちびの様子は、ほんとうにかわいい。おかしくて、くすっと笑ってしまう場面も。
詩的な文章は、リズミカルで、心地よく耳に響きます。森の静けさや、月明かりの美しさは、バーバラ・クーニーさんによって、見事に描かれています。
個人的には、裏表紙の絵も、とても好きです。