やまのバス

『やまのバス』

文 内田麟太郎
画 村田エミコ
出版社 佼成出版社
発行年月日 2009年9月30日
価格 ¥1,300円+税


おくやま行きのバスは、明日からなくなります。

利用するお客さんが、
ほとんどいなくなってしまったからです。

「のってみたかったなぁ」

話を知った動物たちは、
陰からバスを見て、名残惜しそうに言いました。

そんなことはつゆ知らず、
バスはとうとう、最後のお客さんを送り届けました。

25年、この山に通い続けてきた運転手さん。
涙でかすんでいく山に、ふと、こう呟きました。

「だれでもいいから のってくれたら、
バスは なくならないのになぁ」

* * * * * * *

運転手のおじさんは“やまださん”と言って、眼鏡をかけた、やさしそうなおじさんです。そんなやまださんに、びっくりすることが起こりました。山からの帰り道、動物たちが、次々とバスに乗り込んできたのです。それも、お代のかわりに山の幸を抱えて・・・。

最後はみんながうれしそうで、ほんとうによかった。
ぽっと色付いたみんなのほっぺが、とってもかわいいです。

運転手さんも、バスも違いますが、同じ村田エミコさんの版画の絵本に、『つぎ、とまります』(福音館書店刊)というバスの絵本があります。こちらは本書より少し文章も短めで、2~4歳向きのシリーズです。詳しくはこちらをご覧ください。