ぼくからみると
『ぼくからみると』
文 高木仁三郎
絵 片山健
出版社 のら書店
発行年 2014年7月10日
夏休みの、ある日。昼過ぎの、ひょうたん池。
よしくんが池で釣りをしていると、
しょうちゃんが自転車で走ってきました。
“じてんしゃの しょうちゃんから みると……”
“つりをしている よしくんから みると……”
“いけのなかの さかなが みたら……”
同じとき、同じ場所にいても、
見える世界は違っています。
似通った景色もあれば、まるで違うってことも。
それでもやっぱり近くにいて、
同じ空気を吸っている
片山健さんの油絵は、
鳥肌が立つくらいきれいです。
草のにおいや土のにおい、
肌を照りつける太陽の日差し、
風があたって葉がこすれる音、
生きものたちの息づかい・・・
ページをめくるたびに、
感覚が研ぎ澄まされていくような感じがして
どきどきします。
子どもたちはここに、何を感じるのかな。
たしかな余韻の残る1冊です。