うさぎたちのにわ
『うさぎたちのにわ
りんごの すきな うさぎの はなし』
作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1975年
価格 ¥1,456+税
2匹の子うさぎは、
世界一美しい庭に住んでいました。
ある日のこと、年寄りうさぎが、
しばらく庭を留守にすると言いました。
「にんじんは すきなだけ たべていい。だが りんごに てだしは しないこと。でないと きつねに やられるぞ」
こう、言い残して。
ところが、ある大きなへびとの出会いから、
子うさぎはりんごを食べてしまって・・・。
* * * * * * *
言いつけを破って、りんごを食べてしまった子うさぎ。その背景には、お腹の空かせた子うさぎにりんごをくれた、やさしいへびの存在がありました。そればかりか、その大きなへびは、きつねから子うさぎを守ってくれたのです。それも、びっくりするような、少し変わった方法で・・・。
年寄りうさぎと子うさぎの関係は、まるでわたしたち大人と子どものようです。
わたしたち大人は、ついつい自分でも気付かないうちに、子どもの行動や、考える力を、制限していることがありますよね。ちょうど、この年寄りうさぎのように。もちろんそれは、子どもの安全や、子どものためを思ってのことなんだけれど、ときに、もっとおおらかに、子どもを信じなきゃいけないこともあるんじゃないかな、とも思います。
その線引きが、むずかしいのだけれど・・・。
みんなで食べるりんごは、とてもおいしそう。
どの子たちのまわりにも、こんなへびみたいな存在がいたらいいのにな。わたしも、そんな大人でありたいなと思います。