マドレーヌといぬ

『マドレーヌといぬ』

作・画 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳 瀬田貞二
出版社 福音館書店
発行年月日 1973年5月10日
※原書『MADELINE’S RESCUE』(アメリカ)
価格 ¥1,300+税


パリの、つたの絡んだ古いお屋敷に、
12人の女の子と、
先生のミス・クラベルが暮らしていました。

ある日のこと、1番おちびさんのマドレーヌが、
すべって、川へ落ちてしまいました。
そこへ駆けつけたのが、1匹の勇ましい犬でした。

マドレーヌを助けてくれたその犬を、
みんなはお屋敷につれて帰りました。

ところがあることをきっかけに、
犬はお屋敷を出なければならなくなって  

* * * * * * *

マドレーヌが、川へ落ちるシーンの説明をすると・・・

まず、左のページには、みんなが2列に並んで歩くなか、ひとりだけ橋の手すりを歩くマドレーヌ。
そして右のページには、大きな口を開けて川へ落ちていくマドレーヌと、それを受け止め損なったおじさん、そして、その姿を見て両手をあげるミス・クラベルさん・・・

いやあ、もはやコントのようです。おかしいなあ。
ベーメルマンスさんの絵も、瀬田さんの訳も、本当に大好きです。

ちなみにこの川は、セーヌ川だそう。石畳の床はおしゃれだし、川岸に並ぶ建物はとてもかわいい。魚釣りをしていたり、絵を描いたりしている人もいます。
落っこちているマドレーヌには申し訳ないけれど、そのすてきな景色には、思わずうっとり。

もちろん、他のマドレーヌ作品と同様、巻末には、本文に出てきた通りや建物の名前が、こと細かに書き添えられています。

マドレーヌシリーズ、『げんきなマドレーヌ』につづく、2作目のおはなしです。

※「コールデコット賞」受賞作品(1954年)