うさぎをつくろう
『ううさぎをつくろう
ほんものになったうさぎのはなし』
作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1982年
※原書『RET’S MAKE RABBITS』
価格 ¥1,359+税
えんぴつで描かれたうさぎと、
紙を切り抜いて作られたうさぎ。
2匹のうさぎは、とても仲良しでした。
そんな2匹はお腹が減ると、
えんぴつうさぎは、えんぴつで描かれたにんじんを、
はさみうさぎは、紙を切り抜いて作られたにんじんを食べました。
ところがあるとき、
ほんもののにんじんを見つけました。
たちまち、にんじんにかぶりついた2匹でしたが・・・。
* * * * * * *
2匹のうさぎが、なぜそこにあったにんじんを、”ほんもの”だと分かったのか。それは、にんじんに「影」があったからでした。自分たちには影がないことを、2匹は知っていたんですね。
そんな2匹のもとに、ふしぎなことが起こります。(いやもちろん、絵で描いたうさぎと、紙でできたうさぎが動き出すことさえ、ふしぎなことなのですが・・・!)
表紙からも見てとれるように、1匹のうさぎは、紙をコラージュして作られています。素材の柄が、とてもきれいですよね。目はくるっとしていて、耳はピンと立っていて、とてもかわいい。表情を見ると、ちょっぴり控えめな感じもするけれど、どうでしょう。一方、鉛筆で描かれたうさぎは、口元まで描かれているからか、ちょっぴりやんちゃな感じ。それもまた、すごくかわいいです。
さて、2匹のうさぎは、どこへ駆けて行ったのかな。
余韻の残る絵本です。