ぼくのだ!わたしのよ!
『ぼくのだ!わたしのよ!
3びきの けんかずきの かえるの はなし』
3びきの けんかずきの かえるの はなし』
作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
発行年 1985年
価格 ¥1,456+税
池の真ん中の小さな島に、
3匹の、けんか好きのかえるが住んでいました。
「ぼくの みずだぞ」
「ぼくの じめんだぞ」
「わたしの くうきよ!」
3匹はいつもそんな調子だったので、
その声は、島の向こうにまで聞こえていました。
「いいかげんに やめてくれんか!」
島の向こう側に住むヒキガエルが、
そう言って去って行ったあとのことです。
突然空が暗くなり、滝のような雨が降ると、
島はどんどん小さくなって・・・。
* * * * * * *
けんかばかりの毎日だった3匹でしたが、嵐の中、1つの岩の上で“いっしょ”に過ごしたことで、3匹の中の何かが変わったようです。(本当は、岩じゃなかったんですけどね)
みんなでいっしょにひとつのことをする楽しさを、3匹は知りました。そして、なにかをいっしょにする仲間がいるよろこびを、きっと同時に知ったはずです。
かえるたちはコラージュで表現されていますが、その緑色は複雑で、とてもきれいです。のびのびとしたかえるたちの動きも、躍動感があっていいなあと思います。レオ・レオ二さんの描く、“かえる”。違うおはなしにもたびたび登場しますが、個人的にはすごく好きです。