おやすみなさいコッコさん
『おやすみなさいコッコさん』
作・絵 片山健
出版社 福音館書店
発行年 1988年1月30日
※月刊「こどものとも年少版」1982年9月1日発行
価格 ¥800+税
起きているのは、お月さまだけ。
そんな夜に、ひとり眠っていない子どもがいました。
コッコさんです。
お月さまはコッコさんに、言いました。
「もう そらの くもも ねむったよ」
でもコッコさんは、
「そらの くもが ねむっても
コッコは ねむらないもん」なんて、
ずっとこんな調子です。
池の水も、魚も、
それから、鳥も、犬も、おにいちゃんも・・・
みんなが眠る、夜のこと。
あたたかな月明かりが照らすおはなしです。
* * * * * * *
お月さまとコッコさんのやりとりが、とてもかわいい絵本です。
コッコさんは、お月さまが何を言っても、「○○が ねむっても コッコは ねむらないもん」の一点張り。でもだんだんと、コッコさんのまぶたが重たくなっていくのが、絵本からも伝わってきます。読んでいるこっちまで、なんだかふわふわして、思わずうとうと・・・。
お月さまのやわらかな語り口調が、心地良く耳に響きます。包まれるように眠りにつくコッコさんが、ちょっぴり羨ましくも思いました。
そうそう、表紙でコッコさんが読んでいる絵本は、『りんごのき』(福音館書店刊)ですね。『りんごのき』の主人公も、コッコさんと同い年くらいかな。こちらもおすすめの1冊です。