マリーナ
『マリーナ』
作 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳 ふしみみさを
出版社 クレヨンハウス
発行年月日 2009年6月20日
※原書『MARINA』(アメリカ)
価格 ¥1,800+税
アシカのマリーナの父さんは、
サーカスいちの人気者。
そんな父さんの仕事が夏休みに入ったので、
父さんと母さんとマリーナの3人は、
車で海辺の家へと向かいました。
ところが、たいへん!
おどけたイルカたちを見た父さんが
ぶつくさ言っているうちに、
1人で海へ入ったマリーナは
サメに食べられてしまいました。
「どうしましょう」
困った父さんと母さんでしたが・・・。
* * * * * * *
『マドレーヌ』シリーズの作者、ルドウィッヒ・ベーメルマンスさんの絵本です。約26×31センチの、大判の絵本。表紙は、ぱっと目をひくようなはっきりとした色づかいですが、本文中の絵は、透明感のある淡い色づかい。どちらのスタイルもすてきですが、個人的には本文中の絵が好きかなあ。爽やかな夏らしさもあって、とてもかわいいです。
ところで、この父さん。サーカスいちの人気者だけあってか、ちょっぴり気取っています。イルカたちのことをひやかしたりするものだから、その間に子どもがサメに食べられちゃって、まったく困った父さんです。
もちろん、最後はちゃんとハッピーエンドですが、さすがのお父さんも少し懲りたみたい。「わしらも べんきょうに なったなあ」なんて言って、ね。
おはなしにはスピード感があって、気持ちの良い展開です。伏見操さんの訳も、歌うようになめらかで、たのしげです。
見返しの絵もかわいくて、絵をよく見れば、ここにもベーメルマンスさんのユーモアがたっぷり。見返しだけでも、いろいろなストーリーが垣間見えますよ。
夏にぴったりの、爽快感のある絵本です。