マシューのゆめ
『マシューのゆめ
えかきに なった ねずみの はなし』
作 レオ=レオニ
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
価格 ¥1,456+税
ねずみのマシューは、
お父さんとお母さんといっしょに暮らしていました。
一家は貧しかったけれど、
両親はマシューの将来を夢見て、
大きな望みをかけていました。
ある日のこと、
マシューはクラスのみんなと
生まれてはじめて美術館へ行きました。
そこでたくさんの絵画に触れたマシューは、
こう思います。
“ここには せかいが まるごと ある”と
* * * * * * *
両親の期待とは裏腹に、将来の夢を持てないでいたマシュー。“せかいって いうものを みたいんだ”それがマシューの思いでした。
ところが、美術館でマシューは、はじめてたくさんの絵画と出会います。それまで知らなかった世界、はじめて知った感覚、そんな気持ちを共感できる存在・・・マシューにとってそれは、大きな転機となりました。
こういう“きっかけ”は、どこに落ちているか分かりません。それでも子どもたちは、いろいろな体験を通して、自分の心が大きく動くところを見つけていくのだと思います。それを見つけられたマシューは、本当によかった!
絵を描くことが好きな子どもがいれば、音楽が好きな子どももいます。体を動かすことが好きな子どもがいれば、本を読むことが好きな子どもも・・・。ひとりひとり違う、その「好き!」と出会うきっかけを、わたしたち大人は少しでも子どもたちに届けられたらいいなと思います。
わたしも本を通して、少しでもそんなお手伝いができればと思っています。