マックマウスさん
『マックマウスさん
のねずみの なかまになった まちねずみのはなし』
作 レオ=レオ二
訳 谷川俊太郎
出版社 好学社
価格 1,500+税
※原書『Mr,McMouse』
ハンサムなまちねずみだったティモシーは、
ある日突然、人間のような姿になってしまいました。
驚いて町の外へと駆けだした彼は、
その先で、ある野ねずみたちと出会います。
ほかの野ねずみたちがティモシーのことを怖がるなか、
スピニーという1匹の野ねずみだけは違いました。
「わたしが なまえをつけてあげる。マックマウスさん!」
“マックマウスさん”になったティモシー。
彼は、この場所で暮らすために、
野ねずみ免許のテストを受けることになりました
* * * * * * *
どうしてティモシーの姿が突然変わってしまったのか、それは分かりません。
でも、わたしたちに当てはめてみたらどうかな。
例えば、自分の意図しないところで環境ががらりと変わってしまったり、やむを得ずその場所を離れなければいけなくなったり・・・そういうことが突然やってくることは、わたしたちにもありますよね。
そんなとき大切なのは、その状況にどう向き合えるか、であって。
ただ、ティモシーが恵まれていたのは、自分を受け入れてくれる「スピニー」という存在があったこと。どんなつらい状況にあっても、自分を信じて、励ましてくれる存在が1人でもいれば、それがどれだけ心強いか。
わたしが大好きな絵本のひとつ、『時計つくりのジョニー』の、スザンナが浮かびました。
スピニーやスザンナのような人が、どの子のまわりにもいたらいいな。たとえそれが、大人であっても。そして同じくらい、そんなスピニーやスザンナのような心を持ってもらえたら、すてきだなと思います。