チリとチリリ はらっぱのおはなし

『チリとチリリ はらっぱのおはなし』

作 どいかや
出版社 アリス館
発行年月日 2007年6月25日
価格 ¥1,200+税


ある午後のこと。

チリとチリリが自転車で草むらを通って行くと、
ハナバチが花のみつを集めていました。

ついて行ってみると、
ハナバチの家にはいろいろなはちみつがあって、
作りたてのカステラを分けてくれました。

そのあとも2人は、
コガネムシのあとをついて行ったり、
トカゲのあとをついて行ったり・・・。

チリとチリリの
すてきなはらっぱでの、おはなしです。

* * * * * * *

シロツメクサに、あじさいに、ホタルに・・・。舞台は、6月ごろのおはなしでしょうか。
色濃くしげる緑が、その季節を物語っているようにも思います。

「チリとチリリ」のシリーズは、食べものだとか、飲みものだとかの、心をくすぐられるようなそのネーミングも、とってもいいなあと思います。
たとえば、”はちみつボールカステラの はなびら ちゃきんつつみ” だとか “しぼりたて はっぱの ミックスジュース やまももと のいちごの つぶつぶいり” なんていうふうに・・・。

名前を聞いただけで、なんだかもう、そわそわ、わくわく、してしまいます。

手書きで書き込まれたセリフもたのしくて、例えばチリとチリリが、コガネムシの様子を遠目から覗いている場面では、コガネムシたちが「みてるよ」、「みてるね」なんて言っています。
ふふっと笑ってしまうような、そんなシーンがところどころに散りばめられているのも、すごくすてきです。