あらいぐまとねずみたち

『あらいぐまとねずみたち』

作・絵 大友康夫
出版社 福音館書店
発行年月日 1977年4月1日
※月刊「こどものとも」1974年4月1日発行
価格 ¥800+税


あらいぐまの親子が、川から家へ帰ると、
じゃがいもの袋がなくなっていました。
豆つぶも、たくさん散らばっています。

そこで、あらいぐまの親子は、
家から続く豆つぶのあとを、追っていきました。

森を抜け、丘を越えて草原までくると、
がやがやと、騒がしい声が聞こえてきて・・・。

* * * * * * *

先日、お客さまに、“子どもがすごく好きな絵本があるんです”と、この絵本のタイトルを教えていただきました。調べてみると、作者は大友康夫さん。『どうすればいいのかな?』などのくまくんシリーズ(福音館書店刊)や、『ぼくしんかんせんにのったんだ』などのくまたくんシリーズ(あかね書房刊)でお馴染みの作家さんです。

でも恥ずかしながら、この絵本は知りませんでした。そこでさっそく読んでみると、すごくおもしろくて。じゃがいもやお豆のどろぼうさんたちは、意外にも、すぐに降参してしまいます。(と、いうのも、最初はかわいく見えたあらいぐまの親子ですが、けっこう迫力があったりして)
ところが、それでは終わりません。あらいぐまに泣いて訴え、畑の作り方を教えてもらったり、家を建てるのを手伝ってもらったり・・・。なんだかおかしな展開ですが、みんなたのしそう。あらいぐまの親子も、いきいきとしています。

新しくできたその家も、とてもよく描きこまれていて、眺めるだけでわくわくするくらい、とってもすてき。

ただ、子どもたちに初めて読むときは、タイトルを濁して読みたいものです。犯人探しも、絵本のたのしさのひとつですから、ね。