やかましむらのこどもの日

『やかましむらのこどもの日』

作 アストリッド=リンドグレーン
絵 イロン=ヴィークランド
訳 山内清子(やまのうちきよこ)
出版社 偕成社
発行月 1983年7月
価格 ¥1,000+税
※原書『BARNENS DAG I BULLERBYN』1966年発行(スウェーデン)


やかまし村には家が3軒あって、
6人の子どもたちと、
その子たちより小さい
シャスティーンという女の子が住んでいました。

ある日、そのうちの1人が、
〈ストックホルムの こどもの ひ〉
というのを、新聞で知りました。

「〈やかましむらの こどもの ひ〉ってのを、
つくっても いいなあ」

そう思って、
みんなは小さなシャスティーンのために、
〈こどもの ひ〉をつくることに決めました  

* * * * * * *

私たちが想像する、5月5日の「こどもの日」のおはなしではありませんが、子どもたちが、自分たちよりもっと小さな子どもを喜ばせようと考えた、「こどもの日」のおはなしです。

とはいえ、始めからうまくはいきません。シャスティーンを喜ばせようと思ってしたことが、かえって裏目に出てしまったり、シャスティーンを泣かせてしまったり・・・。

そんな子どもたちを見かねて、シャスティーンのお母さんは、「それなら、このむらに ふさわしい やりかたが あるでしょ。」と言いました。
それは、特別なことではありませんでしたが、シャスティーンのよろこんだこと、よろこんだこと。6人の子どもたちの優しい気持ちは、ちゃんと、シャスティーンに伝わったことでしょう。

そうそう、おはなしの中で、みんなでシャスティーンのお気に入りの歌を歌う場面がありますが、調べてみると「Bonden Och Kråkan」というスウェーデン民謡だそうです。シャスティーンは、特に「ヘイヨム フェイヨム」のところが大好きで、うれしいときは、そう言って喜びます。その声が聞こえてくるようで、とってもかわいいです。

※絵本ではなく、かんたんな読みものです。文字が大きく、モノクロですが挿し絵もたくさん描かれています。カタカナにはルビがふってあります。