うさこちゃんひこうきにのる
『うさこちゃんひこうきにのる』
文・絵 ディック・ブルーナ
訳 いしいももこ
出版社 福音館書店
発行年月日 1982年5月31日
価格 ¥700+税
※原書『nijntje vliegt』1970年発行(オランダ)
うさこちゃんが庭で遊んでいると、
おじさんが、飛行に乗ってやってきました。
「どうだい うさこちゃん おじさんと
いっしょに うみや もりのうえを
ひこうきに のって とんでみないか」
うさこちゃんは家にとんで帰ると、
ヘルメットをかぶって
飛行機に乗りこみました
* * * * * * *
ちょっとしたアイテムが、別世界への入り口になる。子どもたちの世界では、よくあることです。たとえば、新聞紙で作った剣だったり、ベールに見立てた布だったり。そんなアイテムひとつで、子どもたちはその世界に入りこんで、戦士になったり、花嫁さんになったりします。
たとえば、エッツの『もりのなか』(福音館書店刊)は、その代表のような絵本ですよね。男の子にとっての「紙の帽子」と「新しいラッパ」は、そんな役割を果たしていると思います。
今日、ご紹介した『うさこちゃんひこうきにのる』では、「ヘルメット」が、まさにそう。本文中には書かれていませんが、オレンジ色の、すてきなスカーフも巻いています。お母さんが巻いてくれたのかな。それとも、おじさんが巻いてくれたのかな?
そんなちょっとしたアイテムが、私たちを絵本の中に、ぐんと引き込んでくれます。まるで、いっしょに飛行機に乗っているように。
余計なものを削ぎ落したシンプルな絵と文章だからこそ、より一層そう感じるのかもしれませんね。
現在、東京の松屋銀座では、誕生60周年を記念した「ミッフィー展」が開催中です。2015年5月10日(日)まで。もしゴールデンウィークに東京へ行かれる予定があれば、いかがでしょうか。店頭にチラシもございますので、良ければご自由にお持ち帰りください。