まりーちゃんとひつじ
『まりーちゃんとひつじ』
文・絵 フランソワーズ
訳 与田準一
出版社 岩波書店
発行年月日 1956年12月1日
まりーちゃんは、ひつじのぱたぽんに言いました。
“おまえは いつか
こどもを 一ぴき うむでしょう。
そしたら わたしたち、その 毛を うって、
すきなものが なんでも かえるわね”と。
まりーちゃんは、さらに続けます。
もしかしたら、こひつじを、二ひき産むかもしれない。
もし、三びき産めば、四ひき産めば・・・
まりーちゃんの想像は、どんどん、ふくらむばかり。
そんなまりーちゃんの言葉に、ぱたぽんは耳をかたむけます。
(と言っても、ひつじの毛を売っていろいろなものを買うのには、あんまり賛成じゃないみたいですけどね)
けれど、本当に産まれたのは・・・。
この、「まりーちゃんとひつじ」のおはなしのほか、
後半には「まりーちゃんのはる」が収録されています。
* * * * * * *
フランソワーズさんの絵本は、ぽってりとしたやわらかな線と、あたたかみのある色合いが、本当にすてきです。
ぱたぽんは、そんなのいらないわ、と言っているのに、こひつじの毛で、こんなものを買おう、あんなものも買おうと、言葉を続けるまりーちゃんは、もうこひつじのことであたまがいっぱい!といったかんじ。それにくらべ、ぱたぽんは落ち着いていて、なんだか笑ってしまいます。
子どもらしい、まりーちゃん。かわいいなあと思います。
言葉のリズムもよくて、うたうように流れる文章が、心地良い1冊です。