おなべおなべにえたかな?
『おなべおなべにえたかな?』
作 こいでやすこ
出版社 福音館書店
発行年月日 1997年8月15日
※月刊「こどものとも」2015年3月号
価格 ¥800+税
気持ちのいい、春の日のこと。
きつねの“きっこ”と、
いたちの“ちい”と“にい”は、
おおばあちゃんに代わって
スープの番をすることになりました。
ところが、味見ばかりして、
気が付くとお鍋の中はからっぽに。
こまった3匹でしたが・・・。
* * * * * * *
わらべうたで、“あぶくたった にえたった”というのがありますよね。
言葉は少し違いますが、わらべうたのリズムで読んでも、たのしい絵本です。
うっかりスープを食べ切ってしまうなんて、こまった3匹です。けれど、3匹が食べてしまった「にんじんスープ」は、たしかにとってもおいしそう。
スープの湯気をつたって、こちらまで、いいにおいが漂ってきそうです。
絵をよく見れば、3匹のおこぼれを頂戴しようと、小さな動物や虫たちが集まってきています。小出さんの絵は、いつもこんな風に、たとえ文章に書かれていなくても、たくさんの遊び心やおはなしが絵のなかに隠されています。
ふわっと春のにおいが広がる1冊です。