ぐりとぐらのえんそく

『ぐりとぐらのえんそく』

作 なかがわりえこ
絵 やまわきゆりこ
出版社 福音館書店
発行年月日 1983年3月5日
※月刊「こどものとも」1979年4月1日発行
価格 ¥800+税


リュックサックをしょって
水筒をさげたぐりとぐらは、
林をぬけ、野原へと向かいました。

到着すると、ふたりはお昼の時間まで、
体操をしたり、マラソンをしたり・・・。

すると突然、1本の毛糸に引っかかって転びました。
毛糸は、ずっとずっと向こうまで繋がっています。

そこで、毛糸をまいていきましたが、
毛糸はどんどん大きくなって、
やがてぐりとぐらより大きくなって・・・。

* * * * * * *

“はるかぜ そよそよ
せなかに そよそよ
おひさま ぬくぬく
せなかに ぬくぬく”

毛糸の持ち主は、そんな鼻歌を歌ってしゃがんでいました。
自分のチョッキが、はるか遠くに引っかかったまま、すっかりほつれてしまっていたなんて、気付きもせずに。そのようすがおかしくて、くすっと笑ってしまいます。ほがらかで、ゆったりとした空気が、ふわっと広がるようです。

ぐりとぐらが体操をしている姿や、大玉転がしのように毛玉を押すところなんかも、とってもかわいいですよ。

春っていいなあ、と、春が待ち遠しく思う1冊です。