モペットちゃんのおはなし

『モペットちゃんのおはなし』

作・絵 ビアトリクス・ポター
訳 いしいももこ
出版社 福音館書店
発行日 1971年11月1日
※2002年10月1日新装版発行
価格 ¥700+税
※原書『THE STORY OF MISS MOPPET』1906年発行(イギリス)



「モペットちゃん」という名前の、こねこがいました。

そんなモペットちゃんを、
あるねずみが、戸棚の後ろから覗いていました。
ねずみは、こねこなんてこわくなくて、
いつもモペットちゃんをからかっています。

あるときモペットちゃんは、
頭を小さなきれでしばって、座っていました。

それを見たねずみは、
“あのねこは、だいぶ きぶんが わるそうだぞ”と思うと、
モペットちゃんに近付いていきました。

そのときです。
モペットちゃんが、いきなりねずみに飛びかかりました  

* * * * * * *

「ピーターラビットの絵本」の、5つ目のおはなしです。

ビアトリクス・ポターさんがそれまで手掛けてこられた絵本よりも、さらに幼い子ども向けに書かれたおはなし。シリーズの中でも、文章は少なめで、だいたい2~4行くらい。1番長いページでも6行(3文)くらいです。

モペットちゃんとねずみとの掛け合いは、おかしくて、かわいくて、ちょっぴりシュール。
途中、ねずみが食べられやしないかとどきどきしますが、最後まで、ねずみの方が一枚も二枚も上手(うわて)です。
ここが、安心してこの本を楽しめる、大きなポイントでもあって。

モペットちゃんを見ていると、なんだか少しかわいそうにも思えるけれど、お互いこの関係を楽しんでいるようにも見えます。2匹が思っているよりも、お互いにとって良い遊び相手なのかもしれませんね。

2002年に新装されてからは、絵本のカバーを取ると、こんな表紙が現れます。


しっとりとした深い藍色は、とってもきれいです。

※ほんの少し漢字表記がありますが、すべての漢字にルビがふってあります。