おおさむこさむ

『おおさむこさむ』

作 こいでやすこ
出版社 福音館書店
発行日 2005年10月15日
※月刊「こどものとも」2001年1月1日発行
価格 ¥800+税


きつねの“きっこ”と、いたちの“ちい”と“にい”は、
おばあちゃんに作ってもらったマントをはおって、
そりあそびに出掛けようとしました。

「こんな ゆきのひには きっと ゆきぼうずが でるぞえ。」

おばあちゃんはそう言いましたが、3人は耳を貸しません。

そこでおばあちゃんは、
ゆきぼうずに会っても、けっして“さむい”と言わないこと、
さむいと言ったら凍らされてしまうからと、言い聞かせました。

ところが、3人が遊んでいると、
小さなゆきだるまが二つ出てきて・・・。

* * * * * * *

本書は「きつねのきっこのおはなし」シリーズの3作目。本書のほかに、以下の4作があります。

①『やまこえのこえかわこえて』(月刊「こどものとも」1992年9月号)
②『おなべおなべにえたかな?』(月刊「こどものとも」1995年3月号)
④『たろうめいじんのたからもの』(月刊「こどものとも」2003年8月号)
⑤『おべんともっておはなみに』(月刊「こどものとも」2007年4月号)
※単行本化した順番は、②→①→③(本書)→④で、⑤はまだ単行本化していません。

この『おおさむこさむ』は、同シリーズのほかの作品と違い、ちょぴり怖くてハラハラするおはなしです。でも、そこがすごく楽しい。きっこちゃんの機転の良さも見どころだし、絵をよく見ると、いろいろな発見があります。

なんといっても迫力満点で、また読み返したくなるおもしろさ。読んでいると夢中になって、がんばれ!と、思わずきっこちゃんたちを応援してしまいます。

ところで、残念ながらちいとにいは、マントをゆきぼうずに預けたまま、家に帰ってきてしまいます。けれど、裏表紙を見ると、もっとすてきなマントを作り直してもらったことが、ちーゃんと分かります。

そうそう、部屋の中をよく見ると、『おなべおなべにえたかな?』のお鍋がいますよ。眠っているのか、気持ちよさそうな顔をしています。