おいていかないで

『おいていかないで』

文 筒井頼子
絵 林明子
出版社 福音館書店
発行日 1988年1月30日
※月刊「こどものとも年少版」1981年10月1日発行
価格 ¥800+税


あやこが遊んでいると、お兄ちゃんがこっそり部屋から出て行こうとしました。「わたしも いく。おいていかないで!」あやこはお兄ちゃんを追いかけると、服の裾をしっかりつかんで言いました。
そこでお兄ちゃんは、出掛けるのをやめて本を読みだしました。(読むふりをしはじめた、と言ってもいいかもしれませんね。)あやこも並んで本を読みます。けれども本を読んでいるうちに、あやこはだんだんうとうとしてきました。
その隙を見て、またこっそり出て行こうとしたお兄ちゃんでしたが・・・?

* * * * * * *

お兄ちゃんのことが、大好きなあやこ。いっしょに遊びたくて、お兄ちゃんのあの手この手にも負けません。けれどやっぱり、お兄ちゃん!隙あれば窓からでも出て行こうと、こっそりお腹の下に靴を隠しています。あやこもそれには気が付かなかったようですが、危機一髪のところでなんとかお兄ちゃんをつかまえました。
さすがのお兄ちゃんもとうとう諦めて、あやこを連れて出掛けます。そのときのあやこの嬉しそうな顔といったら!その様子を見守るお兄ちゃんの表情もやわらかく、ほっこりします。

お話の最後は裏表紙へ、さらに表紙へと続いています。どの絵本もそうですが、表紙や裏表紙までじっくり味わっていただけたらいいなと思います。